銀行(メガバンク)の離職率が高い理由について

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厚生労働省では、毎年、新規学卒者の就職・離職状況について調査をしています。

その最新の調査によると、大卒の3年後離職率は「32.3%」となっており、就職後約3年で3割の人が離職していることがデータから判明しています。

この厳しい状況はメガバンクにも言えることで、せっかく有名大学を卒業し、周囲に羨ましがられながら就職をしても、早い時期に離職してしまう銀行員は沢山いるのです。

メガバンクの離職率が高いと言われる理由は何か?体験談を交えつつ、ご紹介します。

メガバンクの離職率が高い理由や実態

メガバンクの離職率は他の職種や企業と比べて、高い傾向あると言われていますが、実際にメガバンクで働いていた筆者も、その実態を肌で感じてきました。

冒頭に述べたように、世の中全体の3年後離職率が3割を超えるのであれば、メガバンクに関しても、それと同じかそれ以上の離職率であるのは間違いありません。

ただ、配属された支店によって離職率は変わってきます。

私が働いていたメガバンクでは「3K」と行員から呼ばれている支店が存在していました。

世間で言われる「きつい・汚い・危険」の3Kとかけて、上司からの詰めやノルマが特に厳しい、Kから始まる支店3店舗のことを指し、その支店では新入行員が3年以内に半数以上辞めていくのが、常習化しているような状況だったのです。

銀行の離職率を表す具体的な数字

一方で、私が配属になった支店には、毎年6~10人の新入行員が入行してきましたが、3年以内に辞めるのは1人か2人でした。

具体的な数字を用いて見てみると、例えば、私が働いていた銀行では、全体で約28,000人の行員が在籍していますが、毎年2,000人近い新入行員が入行します。

そして、大学を卒業して就職するのが22歳で、定年が55歳になるので、全体では1年目から33年目の人が在籍していることになります。

しかし、「28,000人÷33年=約848人」という計算をしてみると、一学年あたり848人しか在籍していないことになるのです。

概算ではありますが、単純に考えると入行した2,000人の内、1,152人※約半分以上(57.6%)の人が離職している計算になります。

メガバンクは学生にとって人気の就職先の一つですが、採用人数が多いのは、裏を返すと離職率が高いということなのです。

  • 行員全体の在籍は28,000人
  • 毎年、新入社員2,000人が入行する
  • 在籍しているのは22歳~55歳(※33年)
  • 在籍28,000人を33年で割ると、1歳区切りで848人しかいない
  • 毎年新入社員2000人入行するが、1歳区切りでは848人しか在籍していない
  • 概算ですが、新入社員の内「57.6%」が辞めている計算になる

銀行は就職人気は高いが、転職人気は低い

東洋経済オンラインによると、2017年卒の大学生を対象とした「就職人気ランキング」には、メガバンク3行

「1位 みずほフィナンシャルグループ」
「2位 三菱東京UFJ銀行」
「9位 三井住友銀行」

がランクインをしていますが、実は、社会人を対象とした「転職人気ランキング」には、メガバンクは上位に上がらず36位が最高順位という結果も出ています。

学生はメガバンクへの就職に憧れる傾向があるものの、一度社会人を経験し、銀行員の厳しい現実が見えてくると、銀行を転職先として考える人が少なくなっているのが現状なのです。

厳しいノルマと高学歴が離職率が高い原因?

メガバンクに就職される人は、いわゆるMARCH以上の一流の大学を卒業している人が多く、日東駒専レベルの大学の人も、その大学の中でかなり成績優秀だった人ばかりです。

  • M 「明治大学」
  • A 「青山学院大学」
  • R 「立教大学」
  • C 「中央大学」
  • H 「法政大学」

大学生までは、成績に関してあまり苦労しなかった人が、都市銀行に入り、非現実的なノルマに直面すると、それは大きな挫折に繋がります。

銀行員は異動になる支店や部署によって「栄転なのか?」「栄転でないか?」が顕著ですから、その生々しすぎる出世レースによって、精神的なストレスを抱えたり、うつになる銀行員も多いのです。

⇒銀行員に多いうつ病。かんたんな診断と正しいケア

厳しいノルマを達成するために、毎日のように頭を下げて回るようになると「何で自分がこんなことをしているのだろう?」と思うようになります。

特に銀行員は高学歴だからこそ「自分は他の企業でも、十分通用するのではないか!?」と考え、退職・転職に向けて動き出す人が多いのです。

パワハラも離職の大きな原因

厳しいノルマだけでなく、上司からの詰めも、銀行員にとってはストレスの一因です。

銀行は9時から3時までは、お客さまが来店されるので、みな淡々と仕事をこなしていますが、3時を過ぎて窓口が閉まると、怒鳴り声が響き渡ることも少なくありません。

特に若手行員は、みっちりしごかれる時期が必ずやってきますし、30代40代の課長クラスの人も、支店長から30分以上、お説教をくらっていることもあり、この理不尽な叱責はパワハラ以外のなにものでもありません。

パワハラが原因でうつ病になり、退職せざるをえない銀行員も沢山いるのです。

⇒上司からのパワハラ。「詰め」と「トレース」

メガバンクで行われるイジメのような人事異動

また、メガバンクの高い離職率の原因は「人事異動」にあるとも言われています。

もちろん、メガバンクに入行するということは、全国転勤、更には海外のどこの支店に配属になることも覚悟しておくべきなのですが、イジメのような人事異動に嫌気がさして辞めていく人もいます。

私の周りで実際に起こった事例だけでも

  1. 臨月の奥さんを抱えているのに突然のマレーシア転勤を命じられた人
  2. ハネムーン中に異動の発令が出て、新しい部署への挨拶の為に沖縄からトンボ帰りをさせられた人
  3. 行員同士で結婚し、大阪で新婚生活をスタートさせたら、旦那さんだけ東京へ転勤になり、新婚早々、別居生活を強いられた人

がいます。

いくら仕事だからと言い聞かせていても、こんな人事では仕事とは完全には割り切れませんよね。

人生の大事なイベントを滅茶苦茶にする、イジメのような人事が多いのです。

このような処遇に対して、自分はもちろん、将来、家族や子どもに迷惑をかけることを懸念してメガバンクを退職を決意するのです。

⇒メガバンクからの転職を有利に進めるポイント

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