銀行員の定年は何歳?退職金はどのくらい?女性行員の定年について考える

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この記事は、銀行員全体の定年や退職金の基本的なことについてや、後半では女性行員の定年にもスポットを当てています。

 

「銀行に入れば一生安泰」

 

という時代は既に終わりつつあり、一生安泰という言葉に疑問を感じ始めてきている行員も多いのではないでしょうか。

銀行で長年勤めてきた50歳以降の行員というのは、出世コースに乗ってきたかどうかで、その後の処遇にかなり大きな差があります。

男性行員は定年を迎える人もいますが、女性行員の場合は、今はまだ定年を迎える人は少ないです。

ですが、これからは女性も長く働き続ける人が増えてくることが予測されます。

銀行員の定年・退職金事情について記載しているので、ぜひ目を通してみてください。

銀行員の定年は何歳?

銀行員の定年は一般的に『60歳』と定められている銀行が一般的です。

三大メガバンクと呼ばれる三井住友、三菱東京UFJ、みずほの三行も60歳定年となっています。

ただし、みずほ銀行については、2018年中に定年を65歳まで引き上げると発表されています。

ですが、65歳定年制にすると言われていますが、銀行の定年事情は特殊で、60歳まで同じ条件で働き続けられるわけではありません。

一般的に「役職定年」「職位定年」と呼ばれるような制度と、出向・転籍の多さにより、銀行員の実質的な定年は『55歳前後』とよく言われます。

銀行員は55歳で定年!?その内情とは?

一般的に銀行には「役職定年」や「職位定年」と呼ばれる、その後の昇進が絶たれ給料が減額される制度があり、それが50代でやってきます。

銀行により制度は異なるので、詳しいことは自分の勤務先の規定を確認してください。

 

これは私が勤務していた銀行の場合ですが、55歳で役職関係なく全員、給料が3割カットされます。

それにもかかわらず仕事では変わらない責任を負わされるため、目に見えてやる気をなくしてしまう上司もいましたし、「あの人給料あれだけ減らされて支店長なんてよくやってられるよね」なんて噂話をする人もいました。

大きな銀行や都銀では事務センターのような部署に異動する人も多いです。

私の身近にもいましたが、気楽になる場合もあれば、それはそれで居心地が悪い場合もあるでしょう。

メガバンクは定年前に出向する人が多数

小規模な銀行ではそうでもありませんが、メガバンクはそもそも定年まで銀行で働ける人のほうが少ないです。

出世コースに乗り、狭き門をくぐり抜けた人以外は50代前半で取引先企業に出向し、1年後には転籍して銀行の給与体系から外れ、まず間違いなく給料は下がってしまいます。

同期で一人役員が出たら、他は全員出向、というくらいの割合の高さです。

「60歳で定年」というのは本当にごく一部の行員にしか当てはまらないことから、「銀行の年は50代」と言われているのです。

ただ、銀行に残れたとしても、前述のように50代半ばで給料減。

その後60歳以降で雇用延長を選ぶなら、そこでも3割程度減ります。

なので、どちらにしても銀行員の収入は一般企業に比べ下降に転じるのが早いです。

三大メガバンクの銀行員の退職金相場は『3,000万円前後』

三大メガバンクでは、定年退職時の退職金の相場は『3,000万円前後』と言われています。

厚生労働省が平成25年に発表した調査結果によれば、大卒で勤続35年以上の場合、全業種における定年退職時の平均退職金額は『2,156万円』でしたので、高い方なのは間違いないですね。

ただし、退職金は退職時の給与によって決まるところが多いので、役職によってかなり開きがあります。

部長・支店長クラス、役付きの次長、それより下の役席や一般行員といったところで大きく変わってくるのは言わずもがなですが、さらにその中でも、本部や母店クラスの大きな支店か小規模店かによっても違いが出てきます。

銀行にもよりますが、下手をすると小規模店の副支店長よりも大店の次長の方が給料が多かったりするので、そういう意味でも出世の狭き門をくぐれるかどうかは重要です。

部長や支店長になれば退職金は相場より多くなりますし、役席でもあまり上の役職でなければ退職金の額も低くなりますので、出世できるかどうかで1,500万円位~4,000万円位というほどの差があるのです。

ちなみに小さな地方銀行になると、退職金の相場も下がります。

退職金はそこまで期待できないので、たまに公務員のお客様が退職金定期預金を作りに来たりすると、上司が「こんなにたくさん貰えるなんて公務員はいいなあ」とぼやくほどです。

昔は若い女子行員の寿退社でも数百万円の退職金が出たみたいですが、今は10万円も出ませんし、世間一般の相場も下落傾向なので、昔に比べ下がってきているのは間違いありません。

50代半ばで給与がかなり減ることを考慮すると、トータルでは銀行員だからといって世間のイメージほど高収入とはならなさそうです。

定年を迎えられずに退職する女性行員は多い

定年まで問題なく働き続けられればいいのですが、将来どうなるかというのは誰もが予測できません。

例えば定年が近づく年齢になってくると、親の介護といった身近な問題も出てきます。

銀行員を続けながらの介護はかなり難しいです。

親の介護でやむを得ず定年前に退職した女性の上司も実際にいたので、女性行員の場合は男性と比較すると、定年まで無事に終われる確率自体が低いのです。

親の介護での退職となれば、定年退職ではなく、自己都合退職ということで退職金も減額されます。

私が知っているケースでは、その年代としてはまだ珍しい女性次長で、定年まであとわずかというところでご家族の介護が必要になり、やむを得ず退職されました。

ですが、その時に話していた「銀行入って40年勤め上げて、退職金が1,000万も出ないのよ。悲しくなっちゃうわね」という言葉を聞きショックを受けました。

(自己都合退職とはいえ勤続年数も長く、定年直前でその金額ということは、定年での退職金額もあまり期待できそうにないですね・・・)

銀行に限った話ではないですが、誰かしら家庭にいた時代とは違い、働き続ける方が多くなってくるこれからの時代、こうした事態に直面する方は増えてくるのではないかと思います。

定年後は65歳まで嘱託職員として働く人が多い

出向でなく銀行で定年を迎えた場合は、65歳まで嘱託行員のような形で働く方が多いです。

ただその場合は、月給20万円前後が給与相場という話もありますし、時給制となる場合も多いみたいですので、あまり給与面は期待できません。

業務内容としては、事務センターや営業店のロビー案内係、ATM管理や自社ビルの管理人などの仕事をする方が私の周りにはたくさんいました。

行員時代に部店長クラスや役員にまでなっていた人だと、グループ会社の社長や役員のほか、出向した取引先企業で役員になる人もいます。

いずれにしても働けるのはメガバンクを含むほとんどの銀行で65歳までとなっています。

女性行員の定年にはロールモデルがいない

全国的に働く女性は増えているものの、銀行は未だに男社会です。

ですので、女性行員で定年まで勤め上げて65歳いっぱいまで働いている方はかなり少ないのが現状です。

前述の通り、銀行員の退職金は出世の具合によって大きく差が出ますし、その出世の道も男性と違い、女性は先人があまりいない中で切り開いていく道になります。

銀行で定年を迎えて、その後は男性行員と同じように嘱託行員や関連会社社員として勤めるのか、それもほとんど前例がない現状です。

私が銀行で出会った女性の上司は、支店長になることも打診されているほどの優秀な方ですが、「このまま銀行で支店長になって定年まで居続けるよりも、自分が持っているスキルや人脈を活かして独立して、お店を開きたい」という話を聞きました。

女性が銀行で長く働き続ける時代はまだこれから本格的に到来するところであり、今定年について意識されている女性行員の方々は、まさに自身がロールモデルとなっていくのだと思います。

銀行員生活はこれからという若手行員も、将来像を考えながら働いていく必要がありそうです。

銀行に限らず、定年に向き合う女性の話題は増えている

社会全体として、女性の定年に関する問題は注目されてきており、テレビなどでも、定年について考える女性の活動や支援団体などが度々取り上げられて、セミナーなども開催されています。

女性行員だからこそ、これまでの男性行員によって「こういうもの」とされてきた定年・定年後のあり方に沿わない、新しい選択肢も作れるかもしれません。

銀行員の定年退職は、決して「銀行で勤め上げたおかげで今後も安泰」と楽観視できるようなものでもなさそうです。

最近は40~50代のスキルを活かした転職にもメディアなどで注目が集まっていますから、銀行の外まで視野に入れて、定年に向けて自発的に動いていきたいところです。

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