銀行員は給料も安定していて華やかな仕事だという印象を持っている人からは羨ましがられることもたくさんありますが、実際には男性女性性別関係ありませんし、エリートや出世コースという言葉とは切っても切り離せない、ある意味、現実的で過酷な職業です。
銀行におけるエリートとはどこで決まるのか?出世コースとは何なのか?銀行の実態をご紹介します。
銀行におけるエリートとは、どうやって決まるのか?
エリートと呼ばれる銀行員は、大きく分けて二種類に分かれます。
まずは、入行した時点でエリートとして扱われている銀行員です。
学歴が大きく関係する銀行社会において、東大・京大出身者はまず、成績優秀な優良店に配属されます。
また、銀行の役員になる人というのは、一橋大学以上の学歴を持った人に限られているとされ、こういった学歴の高い人たちもエリートと呼ばれます。
一方、学歴はさほど高くなくても、配属された支店での営業成績が評価され、後からエリート部署と呼ばれる花形部署に異動になるケースもあります。
エリート部署とは、本部の「営業部」という部署で、各支店では対応しきれないような、日本国内の超大企業を担当します。
動かす金額はもちろんのこと、良い意味でも悪い意味でも日本経済に与える影響が大きくなるため、激務を伴い、のしかかる責任も上司や周りからの期待も大きい部署だとされています。
銀行員の出世コースとは?本当に存在するの?
「出世コースなんて無いでしょ」と都市伝説のように噂されることもありますが、銀行員の出世コースは実際に存在します。
一般的には、国内有数の大規模営業店で、大きな取引先を担当した場合などに「出世コースに乗った」と言われることがありますが、それだけではありません。
特に女性行員の場合は、男性と肩を並べて、バリバリ営業をするだけが出世コースではないのです。
女性の出世コースの一例を挙げるとすると「人事部への異動」です。
人事部への異動は、その後に配属される部署の希望を叶えてもらえることが約束されているような部署になるので、人事部への異動を命じられたのであれば出世コースに乗っていると言っても過言ではありません。
人事の仕事は、一般的な銀行員の仕事とは異なるので、自ら「やりたい」と言う人が少ない分、そこで数年我慢して仕事をきちんとすると、その後の異動では、自分の希望する部署に行くことができ、出世していくケースが多いのです。
また、「労働組合への人事異動」も出世コースの一つとされています。
労働組合の執行部の仕事は、全行員の代表として、銀行の経営部と交渉を進める為、実力を買われて抜擢されることの多いポジションです。
実際に出世して、支店長を務めている女性や、本部の役職に就いている女性も、この労働組合を経験している人ばかりなので、長期に渡って銀行で安定したポジションを築いていくには、このような部署に配属されていくことが望ましいとされているのです。
自分はエリートなのか?出世コースに乗れそうなのか?見極めが大切
銀行員は残酷なことに入行した時点でエリートと呼ばれる優秀な人材がある程度決まっていて、高い営業成績を残し、後からエリート部署に配属される人は、ほんの一握りしかいません。
また、男性の場合はどこに転勤しても寮の用意があるのに比べ、女性の場合は東京・大阪くらいにしか女性寮がないという銀行も多いので、その他の寮がない地方への転勤は、自然と限られてしまうのです。
女性は転勤先が限らてしまうケースが多いということは、いくらポジションが空いていても、どうしても全国転勤可能な男性銀行員の方が有利になるので、男性の方がどんどん出世していくという現実があります。
ですから、勤続10~15年目くらいまでで、人事部や労働組合への異動がない場合には、それ以降の出世は難しいと考えても良いかもしれません。
もちろん「私は出世しなくても良い!」と割り切れるのであれば問題はありませんが、年次が下の上司に仕えることほど屈辱的なことはありません。
実際にこういった人間関係の問題で退職されていくケースも少なくないので、早めに自分の状況を冷静に見極めることが大切です。