行内の係替えやチーム替えによる多能化の弊害

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銀行員には支店を異動する「転勤」だけではなく、支店内の「係替え」や「チーム替え」もあります。

これを「多能化」と言い、誰かが急に休みになったり、1つのチームに仕事が集中してしまった時も仕事が回る様に、一人が複数の係を担当できるようにしておくのです。

支店に配属される人数は減らされる一方なので、1人が1つの業務をこなせるだけでは仕事が回らないのも現実。

銀行員を悩ます多能化についてお話します。

多能化を恐れる事務行員

銀行で事務を担当している女性行員たちは、突然発表される多能化を恐れています。

例えば、ハイテラーを担当していた行員が、ある日突然「君、明日からは後方の担当の子と係替えね」なんてことも珍しくありません。

また、振込などを担当していた為替担当者が、次の日からローテラーで運用商品をセールスするようになる等、180度違う仕事をするようになる行員もいます。

窓口と後方の仕事は全く違うので、その係替えを知ってショックで泣き出してしまう行員もいますし、突然の係替えは、本人だけでなく周りも混乱します。

銀行事務は意外にもチームワークが重要なので、メンバーが入れ替わることは想像以上に負担になるのです。

係替えは、支店を異動する転勤とは異なり、きちんとした引き継ぎ期間や研修期間が設けられることもないので、発表の翌日からは、ぶっつけ本番で仕事をしなくてはなりません。

当然初めての仕事をするのでミスは増え、仕事のスピードも落ちるのでお客さまに迷惑をかけて怒られるだけでなく、自ずと残業時間も長くなります。

銀行員にとって多能化は、恐ろしい事態なのです。

トップダウンの人事が混乱を招く

では、なぜこのような多能化が進められるのでしょうか?

これは、支店長など上席が自分の評価を上げようとしているからです。

多能化を進めると、

  • より逞しい支店運営を進めている
  • 急な欠員が出た時の危機管理がしっかり行われている

として、支店長らに対する本部からの評価は高くなります。

しかし、そういった係替えは、実際に現場で仕事をしている行員には一切の相談なく、上席のみの打ち合わせで勝手に決定され、通達されるのです。

事務を担当している行員たちは、人手不足の中、何とか工夫して日々の業務をこなせるようにと、年次や力量に応じて仕事を分担しているのに、突然メンバーが入れ変わってしまうと混乱が生じます。

この銀行独特のトップダウンの人事制度によって苦労するのは、現場の最先端で働いている事務行員なのです。

行員のことは考えず、自分の評価のために多能化を進める上席に、ストレスは溜まる一方です。

仕事が出来る人ばかりが苦労する現状

係替えを命じられるのは、仕事が出来る行員ばかりです。

「器用にどこのポジションでもこなすことが出来る」と評価され、上席から選ばれていることは確かですが、それを素直に喜ぶことは出来ません。

係替えをすると、その分新しい仕事をゼロから覚える必要があり、かつ繁忙日には前に担当していた係の手伝いもしなくてはなりません。

反対に、あまり仕事が出来ない人は、ゆっくり自分が出来る業務だけを進めれば良いのです。

2つの係を頑張って支えても、自分の出来る仕事だけを進めても、2者の事務行員の給料に差はつかないので、行内では不公平感も膨らみます。

仕事が出来る行員ばかりが苦労して、大変な思いをするのです。

このように、上司に振り回され、苦労をしなくてはならないのは銀行員特有とも言えるでしょう。

仕事の力量が、給与にきちんと反映される会社は銀行以外にも沢山あります。

ストレスも大きく、仕事が出来る人ばかりが苦労しなくてはならない会社に、すがりつく意味はあるでしょうか?

苦労すれば報われる世の中ではなくなってきているので、今一度、自分の仕事や、人生のあり方について、真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

⇒銀行を辞めたい、転職したいと思ったら

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